ご挨拶
未来へ ~作業療法の創造と融合の可能性~
九州作業療法学会2023 in 鹿児島
学会長 吉満 孝二
(鹿児島大学)
この度、九州作業療法学会2023 in 鹿児島を2023年(令和5年)7月8日(土)~9日(日)の2日間、かごしま県民交流センターにて開催する運びとなりました。九州地区の各県作業療法士協会が輪番で担当している本学会はCOVID-19 感染拡大のため、やむなくオンライン開催が続いておりましたが、鹿児島にて学術集会本来の活気と交流の楽しみを取り戻したいとの願いを込めて、この度は対面/オンラインのハイブリッドでの開催を計画しています。
九州は温暖な気候と雄大な自然に恵まれ、大変住み良い地域ではありますが、ひとたび大雨や台風、地震、火山噴火に見舞われると大きな被害が生じる地域です。また多くの島しょやへき地を抱えており、このような災害時に医療や介護に包摂される作業療法があらゆる年齢、いかなる地域の人の健康的な生活の持続可能性を担保しているとは言えない状況にあります。またわが国では2020年頭初から現在(2022年秋)に至るまで、COVID-19により高齢者を中心に命の危険、重大な健康被害に晒されています。COVID-19感染予防は3密回避とマスク着用の徹底によって一定の効果をもたらしていますが、一方で対面接触やコミュニケーションを忌避する社会風潮を生み出し、介護分野ではまん延防止等重点措置等で一時的に訪問/通所サービスの提供・利用が自粛されたことで、要介護高齢者が在宅生活を継続できなくなるケースや社会的孤立に落ち入るケースが散見されました。私たち作業療法士はこれからも繰り返し発生するであろう災害や感染症有事の際に医療介護専門職の一員として何をなすべきかについて新たな視座から考えなくてはなりません。
今回、本学会のテーマは「未来へ ~作業療法の創造と融合の可能性~」です。この混沌とした未来に希望の穴を穿つために、私たちは従前の概念にとらわれず作業療法のニューノーマルを創造し、他職種連携はもちろんのこと、最新のテクノロジーを取り入れることで異分野とも融合していかなくてはなりません。本学会では、作業療法士の日ごろの臨床や研究の成果を持ち寄るとともに、他職種や異分野から先見的な取り組みを紹介していただき、その方々から多くの気づきをいただくことで、未来の作業療法を考える好機となれば幸いであると考えています。
何卒、皆様のご支援ご高配を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。